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犬がぶどうの皮を食べると下痢や腎不全になると言われていて非常に危険です。
症状や処置方法を知っておくことも重要でしょう。
今回は、犬がぶどうの皮を食べると発症する、下痢や腎不全の具体的な症状と処置の方法をご紹介します。
ぶどうによる中毒症状
甘くて美味しいぶどうですが、実は犬にとっては危険が大きく、実際に死亡例まで出ています。
ぶどう本体も危険なんですが、特に皮が危険で、生ゴミや野菜クズを犬に食べさせている家庭もありますので、これはかなり注意が必要です。
本文ではぶどうの表記で統一していますが、これは皮も本体も両方という認識で間違いありません。
それでは、ぶどうを食べることによる中毒症状の発症例を紹介します。
下痢・嘔吐
ぶどうだけの話ではありませんが、基本的に犬が食べてはいけない食べ物を食べたり、体に合わないものを食べてしまったり、ある食品を過剰に食べてしまった時にまず起こる症状が、下痢・嘔吐の症状です。
これらの症状は、体に合わないものを出そうとしている働きもあるので軽度であれば様子を見てもよいでしょう。
ただしチワワのような超小型犬の場合は、下痢・嘔吐でもすぐに脱水症状を引き起こす場合があるので注意が必要です。
嘔吐物や排泄物に血が混じるような場合は、消化器系がダメージを受けてしまっている可能性があるので動物病院を受診しましょう。
急性腎不全
ぶどうを食べたことによる急性腎不全で死亡した犬の例が実際にあります。
Photo by 日本小動物獣医学会誌
オスのマルチーズで体重は2.5kgの犬が、デラウェアという種無しの小さな粒のぶどうを70グラムほど食べてしまい、数時間後には激しい嘔吐をし始めたそうです。
症例は3 歳,雄,体重2.5kg のワクチン接種歴のないマルチーズで,宮崎県内の農村部で完全室内飼育されていた.
嘔吐と元気消失を訴えて来院し,初診時の検査で高窒素血症が認められた.
飼育状況からレプトスピラ症や化学物質摂取による中毒の可能性が低かったため,念のため質問したところ,ブドウの摂取歴が確認された.
ぶどうを食べた2日後に動物病院を受診したところ、重度の尿毒症をおこしており、様々な治療が行われましたがぶどう摂取4日後に死亡したとのことです。
この犬は、死因を特定するための病理組織検査により、腎臓の一部に変形と壊死が見られ、ぶどう中毒による急性腎不全であるという正式な死因が特定されています。
ただぶどうの何が腎不全の原因となったのかまでは解明されておらず原因不明のままですが、このような事例がある以上、犬にぶどうを食べさせるのは避けた方がよいでしょう。
尿が出にくい・色の変化
前述した腎不全と関連してくるのですが、犬がぶどうを食べると、要するに腎機能に異常をきたす可能性が高いという訳です。
腎機能に異常が起こると、尿が出にくくなったり、尿の色が変色してしまったり、むくんでしまうなどの中毒症状が表れることがあります。
腎機能に異常が出てしまった場合は、ただちに動物病院へ行き、利尿剤を投与したり点滴による治療が必要となります。
ぶどうを食べたことによって腎臓への中毒症状が出てしまう理由はわかっていませんが、命に関わる事態になってしまうことは確かです。
湿疹・蕁麻疹が出る
ぶどうを食べてから2~3時間以内に湿疹や蕁麻疹のような症状が出たり、体の一部を痒がったりする仕草が見られる場合は、ぶどうに対するアレルギー反応である場合があります。
アレルギーも重度の症状になってしまうと命に関わるケースもありますので、早めに動物病院を受診した方がよいでしょう。
ぶどうを食べた場合の処置
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まず食べた量をなるべく正確に把握しましょう。
だいたいですが、犬1キロあたり10グラム以上のぶどうを食べてしまうと中毒症状が出やすくなると言われています。
また、前述したようにぶどうの皮部分に特に中毒を引き起こす成分が多く入っているので、愛犬がぶどうのどの部分を食べたのかも把握する必要があります。
少量の誤飲などの場合は少し様子を見ても良いですし、1日経っても嘔吐や下痢の症状がなければ問題はありません。
しかし、重篤な場合は数時間以内に中毒症状が表れますので、目安にして下さい。
それから変わった様子がなくても、上記の中毒症状が出やすくなると思われる量以上のぶどうを食べてしまっている場合は、念のため動物病院を受診しましょう。
また、レーズンは生のぶどうよりも中毒性が高いと言われていて、少量でも危険なほど中毒症状が出やすいと言われていますので、絶対に食べさせないようにしましょう。
まとめ
- ぶどうは皮が特に危険
- 腎臓系が悪くなる
- ぶどう以上にレーズンが危険
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