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好奇心旺盛な犬は、とにかく何でも口に含んで飲み込んでしまいますので、食べ物以外にも、プラスチック・ゴム・ビニール・薬・スポンジなどなど、誤飲する危険は全ての物にあると思います。
今回は、プラスチック・ゴム・ビニール・薬・スポンジなど、犬が誤飲しやすい物を、実際の事例と共に紹介します。
犬の誤飲について
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前回の記事で犬の誤飲の危険性について書きました。
一般的な症状や考えられる危険性、対処法などについては前回の記事を見て下さい。
今回は犬が誤飲しやすい物を実際の事例と共に紹介します。
プラスチック
ペットボトルのフタや、おもちゃのボールなど、小さなプラスチック製品を飲み込んでしまう場合があります。
よくあるパターンは、少し目を離したすきに、おもちゃを破壊してその部品を飲み込んでしまうという場合です。
破片が鋭利な場合には胃や腸の内部を傷つけてしまう可能性もあり大変危険です。
通常は、食べたものは約3時間ほどで腸に到達します。
小さくて少量のプラスチックは消化されず、そのまま排泄されることがほとんどです。
しかし、誤飲からしばらくして嘔吐するようなしぐさをしたり、よだれが止まらなくなるなど、犬の体調に変化がある場合はすぐにかかりつけの動物病院へ連れていきましょう。
食堂を通りきらないような大きなボールなどを誤飲してしまい、気道閉塞を起こしてしまっているときは、腹を押して原因物を吐かせたり、逆に棒を口から中に入れて胃までボールを押し込むといった処置をして気道の確保を優先しましょう。
ゴム
ヘアゴムや輪ゴム、ゴム製のおもちゃを誤飲してしまったという報告があります。
ゴムもプラスチックと同様、胃では消化がされず、そのまま排泄される場合が多いです。
ゴム製品のおもちゃを壊し、その破片を飲み込んでから一晩経ったのちに腸に詰まってしまい、胃液の嘔吐を繰り返して脱水症状を併発させたという例があります。
特に、小型犬では100円玉サイズの異物は腸に詰まってしまうため、誤飲をしてしまった後には犬の体調への注意が必要です。
先ほどの例のように、胃液の嘔吐や、犬がぐったりして脱水症状を起こしているようであれば、早急に動物病院の診察を受けましょう。
ゴム製品が原因で腸閉塞になってしまっており、整腸剤などを使っても排泄を促せないときは、開腹手術が必要になります。
ビニール
ガサガサと音がするビニール袋は、犬にとって楽しいものであるようで、噛んで遊んでいるうちに破って誤飲してしまう場合があります。
ビニールも胃で消化は行われず、数日経ってからそのまま排泄されるか、吐いてしまうことがほとんどです。
排泄物と一緒に出てくると、ビニールが繊維質に包まれているような感じだったり、便と絡んでいたりします。
ビニールを吐いてしまうか、数日後に排泄物と一緒に出てこないようであれば、獣医師に診てもらいましょう。
もちろん、犬の様子が少しでもおかしかったり、元気がないようでしたら、動物病院に行きましょう。
薬
殺虫剤、除草剤、医薬品などの薬物は、犬の体内に入ると中毒を起こす可能性が高いです。
最悪の場合、命を落としてしまいます。
アメリカの動物虐待防止協会(ASPCA)によると、アメリカ国内でのペット事故の1番の原因は、人用の医薬品の誤飲によるものという結果があります。
飲み込んでしまった薬物の成分により処置が変わってくるため、必ず動物病院に連れていき、獣医の処置を受けましょう。
何を誤飲したのか分かっている場合は、獣医師にその成分をすぐに知ってもらうためにも、薬の容器を持参して見せるようにしましょう。
的確な処置のためには非常に役に立ちます。
除草剤は、散歩中などの道に散布されている可能性が考えられます。雑草などを食べてしまう犬に悪影響を及ぼすかもしれませんので、食べさせないようにしっかりとしつけましょう。
殺虫剤は犬がいる室内ではなるべく使わないように心がけましょう。
スポンジ
大きなスポンジを噛みちぎって、大量に飲み込んでしまったという例があります。
スポンジは柔らかいため、家庭で吐かせることはまずできません。
早やかに病院へ連れていきましょう。
スポンジの原型がないほど、大量のスポンジを誤飲したと思われる場合は、動物病院へ診察に行って誤飲物を吐かせるなどの処置が必要になります。
こちらの事例では、便を促すウェットフードや、芋料理で便意を促して排出させる方法も紹介されています。
芋料理は食物繊維が豊富なので、確かに便を促すのには有効かもしれません。
病院へ連れて行くことが大切
ここまで誤飲の発生が多い物をそれぞれ紹介してきましたが、誤飲した物に関係なくまずは病院へ行くことが大切です。
前回の誤飲の危険性について書いた記事でも触れましたが、誤飲しても何も異変が起きないこともあります。
ただ、誤飲した物が体外に排出されないと腸閉塞などになり突然大きく体調を崩すこともあるんです。
なので、誤飲をした場合はまずは病院へ行くようにして下さい。
もし開腹手術などになった場合は費用もかなり高額になりますし、誤飲というのは突然起こるものですので、万が一に備えてペット保険などに加入しておくと安心です。
まとめ
- 誤飲は基本的に吐かせる
- 様々な病気を併発する恐れがある
- 基本は、まず病院へ行くこと
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