アドレスタン(トリロスタン)の犬への副作用や効き過ぎのリスクについて


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過去に我が家の愛犬がクッシング症候群の診断をうけ、しばらくクッシング症候群の薬を飲ますのかずっと悩んでいた時期がありました。

最終的に投薬治療を始めまして、我が家の愛犬の調子も非常に良くなったのを記憶しています。

正直もっと早く始めていればと若干後悔もしましたので、同じような方の参考になるようにアドレスタン(トリロスタン)を飲んでの感想や副作用について書いていきたいと思います。

なぜ投薬を躊躇していたのか

そもそも私がなぜ投薬治療を躊躇していたのかという話ですが、理由としては2つありまして、クッシング症候群の薬が副作用のリスクが高い薬だからという理由と、獣医師の説明の仕方が微妙だったというのがあります。

おそらく前者の副作用という部分で悩んでいる方が多いと思います。

そして獣医師の説明が微妙というのは正直意味がわからないと思います。笑

ただ副作用が強いからこそ、この獣医師の説明というのは非常に大切なので、今回の記事を読んで同じ悩みの方の参考になれば幸いです。

副作用の危険性

まずは副作用の危険性について書いていきたいと思います。

すでにクッシング症候群と診断された方ならご存知だとは思いますが、クッシング症候群というのはコルチゾールという副腎皮質ホルモンが過剰に分泌される病気です。

そのため、治療法としてはこのコルチゾールの分泌量を薬で抑え、正常な数値にまで戻してあげる必要があります。

ここで副作用の問題が出てくるのですが、実はコルチゾール関連で、似て非なる病気がもう一つありまして、それはコルチゾールが不足してしまうアジソン病という病気です。

クッシング症候群の逆バージョンと言えばイメージが掴みやすいかもしれません。

アジソン病自体も非常に恐ろしい病気ですが、特に副腎クリーゼと呼ばれる急性の副腎不全になってしまうと、突然の脱力でグッタリとし、呼吸困難や意識障害を伴うショック状態になってしまいます。

つまり、クッシング症候群の治療薬はコルチゾールを下げる薬なので、投薬量が多すぎるとコルチゾールが下がりすぎてしまい、逆に危篤状態になる可能性があるというのが、クッシング症候群の薬=副作用と言われるようになった理由なわけです。

獣医師の説明に問題点

これに関しては、行く病院にもよりますし、担当の獣医師さんにもよって変わってきますが、私の考える問題点として、飼い主に最終決断を任せすぎだと思います。

薬の副作用だったり、危険性を説明した上で、どうしますか?と聞いてきます。

流れとしては普通のように感じますが、全く知識の無い素人に危険性だけ伝えたら、不安になって治療を始められるわけがありません。

ネットなどで調べれば治療しない派みたいな人たちもいて、どんどん迷うばかりです。

そして、どうすれば良いか獣医さんに相談しても、「やるやらないの最終判断は飼い主様がお決めになるので」と流し、万が一のときに自分に火の粉が降りかからないために、「でもこういう危険性はあるんでご了承下さいね」と言ってきます。

知識のない患者からすれば、「現状こういう数値で、こういう症状が出てるのであれば確実に治療はした方が良いです。ただこういうリスクがあるので、そこだけは覚えといて下さい。」という感じである程度治療を促して欲しいものです。

私は、ずっと投薬するか悩んでいましたが、投薬後に愛犬の調子が良くなったのを見て、結果的には投薬を始めて良かったと思ったものでした。

しっかり誘導してくれる獣医さんであれば良いですが、私の担当のような対応の獣医さんにあたり治療するか悩んでいる方は治療に踏み切っても良いと思います。

実は危険性が少ない

クッシング症候群の薬はリスクが高いという印象がありますが、実は薬にも種類があり、最近処方される薬はリスクがかなり低くなっています。

元々処方されていた薬はミトタンという薬で、これの副作用が強烈なんです。

しかし最近ではトリロスタンという薬が動物用に開発され、比較的安全に投薬ができると言われています。

トリロスタンは副作用が出始めても、投薬をやめれば元に戻せるので、度の過ぎる過剰摂取などしなければ、そこまでリスクは高くありません。

もし投薬治療を迷っている方がいれば、そういった薬の部分を確認してみるのも良いかもしれません。

ちなみにトリロスタンは薬の中に入っている成分のことで、薬品名で言うとアドレスタンという名称になっているかと思います。

他にトリロスタン系の薬で有名なのにデパソンという薬があります。

犬用の薬品業界のことはあまり詳しくないのですが、おそらく似たような薬がいくつもあるってことではないと思うので、クッシング症候群で投薬治療ということであれば恐らくアドレスタンかデパソンが処方されるかと思います。

我が家の愛犬が処方されていたのはアドレスタンなので、念のためデパソンを処方された場合や、違う薬が処方された場合はミトタンかトリロスタンかを確認した方が良いと思います。

我が家の愛犬の投薬ペース

ここまでアドレスタンの安全性について伝えてきましたが、ネットで調べると薬の副作用で愛犬の具合が悪くなったと書かれているブログや、中には愛犬が亡くなってしまったなんて書かれているものもあります。

やはり昔のミトタンに比べれば安全性は格段に向上していますが、前述したように投薬量が多ければコルチゾールが下がりすぎてアジソン病のような症状を発症するリスクがあるのは事実です。

注意していただきたいのが、最初の投薬量の決め方は本当に獣医の個人的な感覚値だということです。

慎重なタイプの獣医さんは徐々に徐々に投薬量を上げていきますので、何度も病院に行かなければならず正直面倒ですし、何度も検査をしますので愛犬への負担は少なからずあります。

しかしかなり慎重にいきますので、数値が下がりすぎるという心配はほぼありません。

イケイケなタイプの獣医さんだと最終的な微調整までとりあえず一気に数値を下げにいくという場合もありえます。

検査の回数は少なくてすむかもしれませんが、やはり数値の下がりすぎが心配です。

こればかりは行く病院、出会う獣医さんによって様々ですので、こちらから要望を伝えて、その要望通りに治療してもらうしか方法はありません。

私はしつこいくらいに何度も慎重にということを伝えたので、検査の回数が多くて大変でしたが、ありがたいことに薬による副作用は何もなかったです。

当時、我が家では10mgのカプセルを朝晩1錠づつ飲んでいたのですが、ここに辿り着くまでに3回ほど量を調整したので、恐らく最初は3mgとか5mgくらいから始めたんじゃないかなって思います。(正確じゃなくてすみません。)

もちろん現状のコルチゾールの数値や体重などで薬の量は変わってきますが、何も基準が無いのは不安だと思いますので、参考になれば幸いです。

薬代に関しては過去に記事にしていますので、そちらを参照下さい。

まとめ

  • アドレスタンはミトタンと比べ比較的安全
  • 徐々に投薬していくのが安全
  • 投薬をやめれば全て数値が元に戻る

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