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犬には過剰摂取し過ぎてしまうと内臓疾患の原因となる栄養素があるのですが、リンという栄養素は腎臓へ悪影響が出る可能性があります。
食材やおやつにも気を使わなければ、知らず知らずのうちにリンを過剰摂取し過ぎているかもしれません。
今回はリンを摂りすぎてしまった場合の体への影響や、リンが多く含まれているフードやおやつを詳しくご紹介していきたいと思います。
リンの体への影響
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リンとは、体の主に筋肉や骨を作るために必要な役割を果たしている栄養素です。
ミネラルの一種であるリンは、生体のバランスを保つために様々な役割を果たしていて、その機能もとても高いと言われています。
リンは主に肉類に多く含まれているため、肉ばかりの偏った食事しか犬に与えていない場合、リンの過剰摂取となっている可能性があります。
では過剰に摂取した場合どのような影響があるのでしょうか。
慢性的な腎臓疾患
リンを過剰摂取してしまうのは、手作り食のみの場合や質の悪い安いフードばかり与えている場合です。
手作り食は、添加物がいっさい入っていないし、食材も新鮮で安全なものを飼い主が選んで与えることができるため、ドッグフードのみの食生活から切り替える飼い主が多くいます。
それ自体はとても良いことですし、私自身も手作りフードは推奨派なので、我が家の愛犬も生きていた頃は手作りご飯を食べさせていました。
実際、体調は良かったですし、うんちの状態が良くなったり、涙やけやよだれやけが改善されたりと良い効果もたくさんありました。
しかしその一方で、きちんと手作り食のバランスや栄養分を勉強しておかないと、常に偏った食事を与えてしまうことになります。
特に肉を主食とした手作り食を犬に与えている場合は、リンが多く含まれているので、腎臓疾患を患う可能性が高いです。
リンによって腎臓の細胞が傷ついてしまい、その細胞は一度傷ついてしまうと機能の回復が難しいため、リンを摂取し続けていると次第に腎臓の細胞を傷つけてしまう範囲が広がっていきます。
そして、腎臓の役割である血中の老廃物をろ過したり、体に必要な水分の調節をする機能が衰えてしまい、尿毒症や脱水症状を引き起こします。
カルシウム不足
リンを摂る際に気をつけることは、カルシウムとのバランスをとるということです。
リン:カルシウムのバランスは1:1.3くらいが丁度良いと言われています。
リンを過剰摂取してしまうと、リンが体内のカルシウムを吸収してしまい、骨の成長に必要なカルシウムまでも奪ってしまいます。
そのため、骨が弱くなってしまい、骨折などを引き起こしやすくなってしまいます。
リンが多く含まれている犬用おやつやフード
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リンが多く含まれていると言われているのは、ジャーキーと呼ばれるおやつです。
特に市販で売られているものは添加物も多い上にリンも含まれているので、病気を患っている犬には向きません。
ジャーキーの中でも、鶏のササミにはリンが多く含まれているので避けた方が良いでしょう。
リンは肉類全般に含まれていますが、部位によって含有量はかなり違ってきますので、きちんと調べてリンの多い部位を把握しておきましょう。
それから手作り食で犬にご飯を与えている場合に注意したい食材は、煮干し・かつお節・するめ・パルメザンチーズ・のり・干しエビなどの食品です。
特に魚介類にはリンが多く含まれているものが多いので注意が必要です。
低リンの食材一覧
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市販で売られているジャーキーやフードは与える量を調整したり、なるべく含有量が少ない物を選ぶことで改善することができますが、手作りご飯を実践されている方は量を減らすと使える食材が限られてしまうので少し厄介です。
犬にとって肉は最も重要な食材ですので、しっかり食べさせた方が良いですが、リンの含有量が少ない食材をバランス良く混ぜることでトータル的に犬が摂取するリンの量を調整するようにしましょう。
低リンで犬に与えても安心の食材
以下にリンの少ない食材を羅列していきますが、全て食品100グラムのリンの含有量が50mg以下のものです。
- 野菜類
じゅんさい、じゃがいも、里芋、大根、冬瓜、キャベツ、レタス、ピーマン、もやし、なす、トマト類、はくさい、ごぼう、小松菜、かぼちゃ、ほうれん草、きゅうり、かぶ、チンゲン菜、まつたけ、栗 - 果物類
缶詰類の果物全般(低リンだが糖分が多いので注意)、すいか、りんご、びわ、梨、マンゴー、メロン、柿(干し柿は不可)、さくらんぼ、みかん、バナナ、イチゴ、キウイ - 魚・肉類
豚足、クジラ肉、フカヒレ
低リンだが犬に与えるのは注意が必要な食材
手作りご飯を作っているような飼い主さんは、与える食材は自分で見極めて決めたいという方も多いと思います。
これから紹介する食材は、ただ低リンというだけで、犬に与えるのが一般的に危険と言われている食材も混じっていますので、与える場合は自己判断にてお願いします。
食材によっては少量なら平気と言われているものもあるのであえて掲載しましたが、誤解を与えていると感じた場合は非掲載にします。
- 玉ねぎ
一般的に犬には与えない方が良いと言われている有名な食材です。しかし以前にも記事にしましたが、体に害が出るまでには相当な量を摂取しないとなりません。もちろん好んで与えることはしない方が良いですが、今まで与えていたとしてもそこまで焦らなくて大丈夫ですので、今後は与えるのは辞めましょう。 - にら
こちらも犬には与えない方が良いと言われています。基本的にネギ系は全てNGと思っといた方が良いでしょう。 - ぶどう
人によって良い悪いと両方言われていて、正直判定が難しい食材ですが、私はあまりおすすめできないのでやめた方が良いと思っています。特に皮と、干しブドウは危険性が高いです。 - くらげ
消化不良になるのでおすすめできません。どうしても与えたいなら細かく刻んで少量に留めるようにしましょう。 - 山芋
食材としては与えても全く問題ないです。むしろ非常に栄養価も高いので食材としてはおすすめなのですが、人間同様犬も口周りなどが痒くなります。痒みをストレスに感じる場合もありますし、特に皮膚病の子は注意が必要です。 - たけのこ
たけのこもクラゲと同様に消化不良になりやすいので、好んで与える食材ではありません。しかしメチャクチャ害があるかと言うとそういう訳でもないですし、低リンの食材は少ないのが実情ですので、どうしても与える場合には細かく刻んで少量で留めましょう。 - 桃
これも人によって意見が分かれる食材です。桃の種のアミグダリンが危険なので基本的に実は問題ないのですが、実や葉の部分にも少量含まれている可能性があるのです。桃も心配であればあまり大量には与えない方が良いと思います。あとソバとかと同じで桃も有名なアレルギー食材ですので、アレルギー体質の子には最初から与えない方が良いと思います。 - じゃがいも
与えても問題ないですし、むしろ栄養価も非常に高いです。ただ茎や芽のソラニンが危険なので、しっかり取り除くことが大切なのと、緑色の皮の部分も危険なので、与える場合は下ごしらえが重要です。 - 卵白
犬に卵白を与えるのは危険と言われています。卵黄は犬も食べれますが低リンなのは卵白なんです。しかし不思議なことで卵黄と卵白を混ぜて一緒に与えるのは問題ないと言われています。しかし生卵はダメなのと、卵白は加熱のし過ぎも良くないと言われていて、卵黄が半熟くらいで与えてあげるのがベストです。ただ他の食材同様毎日毎日与えるような食材ではないのでご注意ください。
長年手作り食をされている方だったり、人間と犬がほぼほぼ同じ食生活という家庭もあるので、私は食材の危険性と言うのは量を調整すればそこまで危険ではないと思っています。
しかし手作り食初心者の方などは分量調整が難しく、不安な部分も多いと思うので、一般的に危険と言われている食材は使わないのが無難かと思いますので、最後にご紹介した食材は注意するようにして下さい。
まとめ
- リン過剰摂取は腎臓疾患のリスクが高い
- 肉の食べ過ぎはリン過剰摂取になりやすい
- 安いフードやおやつの与えすぎも気を付ける
- 『環境要因』だけでな『遺伝要因』も予防しようく
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